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義眼床形成
外傷や悪性腫瘍などが原因で眼球の摘出を余儀なくされることは稀ではありません。患者様は視機能の喪失という問題だけでなく、整容面でも大きなハンディキャップを負うことになります。失われた視機能を元にもどすことは難しいですが、眼の代わりとなる義眼を装着することにより整容面でのハンディキャップを少し軽くすることができます。この義眼を入れるスペースを作成するのが義眼床形成です。琉球大学病院 形成外科では義眼床形成に力を入れています。
義眼床形成は大きく次の3段階に手術が分かれます。
- 1.義眼の土台となる組織の充填(狭義の義眼床形成術)
- 2.義眼を実際に挿入するためのポケットの作成(結膜嚢形成術)
- 3.最終的な仕上げによる微調整(小修正術)
1狭義の義眼床形成術では必要な組織の量に応じて、血管柄付き遊離複合組織移植術、側頭筋膜移植術、真皮脂肪移植術、外側眼窩皮弁移植術、アクリルボール移植術などを行います。琉球大学病院 形成外科ではほとんど全ての術式を行うことが可能です。状況に応じて複数の手術を組み合わせて、十分な組織を移植することにより、なるべく左右対象の眼窩形態の土台を形成することを目標としています。
2結膜嚢形成術では、実際の義眼をいれるためのポケットを作成します。一般的にこのポケットが術後にとても狭くなりやすく、義眼が落ちてしまう原因になっています。この問題を解決すべく、慶應大学形成外科では、2012年に新しい結膜嚢形成術を開発して、国際誌で発表をいたしました*。
*Shimizu Y, Nagasao T, Kishi K A convenient retainer for artificial eye sockets. J Plast Reconstru Aesthet Surg. 65(11):1598-9 2010
3最終的な仕上がりを左右対称に近づけるための小修正術を行います。状態に応じて複数回の手術が必要になることがあります。