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こどもの患者さんに対する取り組み
小児専門病棟への入院と管理
学校の検診で指摘されたりインターネットで検索をしたりしてご自身のお子さんが漏斗胸らしいと気がついても、どの病院の、どの診療科を受診して相談すれば良いのかが分かりにくいご両親が多いようです。
小児の病気だから小児科または小児外科など、「小児」と名のつく診療科でなくてはいけないかと考えがちですが、決してそのようなことはありません。
琉球大学病院 形成外科においては漏斗胸以外にも手足・耳・頭の形の修正や、生まれつきのアザの治療も多く行っている関係上、患者さんのほぼ半数が14歳以下の小児です。したがって小児に対する診療のノウハウも、小児のみを対象とする診療科と同じく豊富にもっております。かつ、お子様の患者の場合は小児専門病棟に入院いただいたうえで、小児科と緊密な連絡をとりつつ治療にあたっています。したがってこどもの患者さんは安心して入院・治療をお受けになることができます。
小児病棟の様子
長期にわたるフォローアップが可能
漏斗胸に対する手術は、肋軟骨が柔らかい小児期に行うのと簡単なので、小学生または中学前期に、初回の手術治療が行われることが多いです。もちろん、初回の手術で良好な結果が得られる場合には問題はありません。
しかし小児期に一旦胸郭の形が改善したとしても、中学・高校期に身長が伸びるうちに、再び変形が生じてくる場合もあります。
すなわち、漏斗胸は小児期において治療が行われることの多い疾患ではありますが、小児期における手術だけですべての問題が解決せず、大人になった後も、さらなる改善を求めて、何らかの治療を希望される患者さんがおおくおいでになります。
たとえば、小児期に一旦は胸の凹みが治ったとしても、思春期を迎えて、男性ならば「もう少し胸を逞しい感じにしたい」という更なる望みが湧いてくることがあります。
また女性の漏斗胸患者さんの場合には、「あばら」の変形のみではなく、思春期から成人期にかけて乳房にも左右非対称が生じてくることが多い(より詳しくは「女性の患者さんに対する取り組み」をご参照ください)ので、乳房の形を整える手術が必要となることがしばしばあります。
このように漏斗胸の治療は、小児期から成人に至るまでの、長期のフォローアップが必要とされる、という側面を持っています。そして成人期に至ってからさらに胸のかたちの改善を望まれる場合には、筋肉や脂肪の移植や、乳房の美容など、特殊な技術が必要とされます。当院の形成外科においては漏斗胸に対する手術以外に、顔面や頸部のがんの切除による身体の変形を修正したり、乳がんの術後に生じる乳房のかたちを整える手術についての治療も行っておりますので、成人期に至るまで、あらゆる側面からの長期のフォローアップを行う上で有利です。